近年、記録的な猛暑や未曽有の豪雨災害などが日本を含む世界各地で発生しており、交通機関など社会インフラの麻痺、農作物の不作による食料価格の高騰といった、地球規模で甚大な被害・経済損失が発生しております。こうした気候変動リスクに対し、社会や経済の持続性に特に危機感を募らせているのが金融機関や投資家で、CO2排出量の大きい事業から脱炭素化に向けて具体的に取り組む投資先へ資金をシフトする動きが起きております。このような動きはESG(環境・社会・企業統治)投資と呼ばれ、世界では約3,400兆円もの資金が動いていると言われており、化石燃料を扱うエネルギー企業には、積極的な対応が求められています。一方で化石燃料は安定的に生活を支えることのできるエネルギーでもあり、政府のエネルギー基本計画では、「過渡期の主力」と位置づけられているように、今すぐに代替できるものではありません。その化石燃料もうまく利用しつつ、将来の脱炭素化に向けて様々な課題を解決するためには、イノベーションが不可欠です。例えば、再生可能エネルギーにおける発電から利用までのコストの低減、蓄電の技術、デジタル技術を活用したエネルギーの効率利用など、それらの技術が実用化されれば、CO2の削減が進み、環境に優しい循環型社会が実現するでしょう。
今回のシンポジウムでは、行政、投資家、学識者、民間企業といった、それぞれの立場の方をパネリストにお迎えし、『エネルギー供給のサステナビリティと拡大するESG投資~エネルギービジネスの変化と展望~』をテーマに議論を深めてまいります。
14:00 | 主催者挨拶 |
|
14:10 | パネル ディスカッション |
■テーマ エネルギー供給のサステナビリティと ■パネリスト(50音順)
■コーディネーター |
16:00 | 終了予定 |
パネリスト
髙橋 泰三
資源エネルギー庁 長官
東京都出身。1985年東京大学法学部卒業後、同年通商産業省(現経済産業省)入省。2002年中小企業庁事業環境部財務課長、2003年大臣秘書官、2005年製造産業局産業機械課長、2007年資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長、2009年資源エネルギー庁長官官房総合政策長、2010年大臣官房秘書課長、2013年資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、2014年資源エネルギー庁次長、2016年官房長を務め、2018年7月より現職。
パネリスト
中原 俊也
JXTGエネルギー株式会社
取締役 常務執行役員
1983年 一橋大学商学部卒業、日本石油入社。2000年 財務部国際金融グループマネージャー、2008年 新日本石油 新エネルギーシステム事業本部エネルギーシステム開発部副部長、2012年 JX日鉱日石エネルギー総合企画部長。2015年 執行役員総合企画部長、2017年4月より現職(秘書室・総合企画部・ESG推進部・経理部・広報部・IT戦略部管掌)
パネリスト
高村 ゆかり
東京大学 未来ビジョン研究センター 教授
島根県生まれ。専門は国際法学・環境法学。京都大学法学部卒業。一橋大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学。静岡大学助教授、龍谷大学教授、名古屋大学大学院教授、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)教授などを経て、2019年4月から現職。国際環境条約に関する法的問題、気候変動とエネルギーに関する法政策などを主な研究テーマとする。日本学術会議会員、再生可能エネルギー固定価格買取制度調達価格等算定委員会委員、中央環境審議会委員、アジア開発銀行の気候変動と持続可能な発展に関する諮問グループの委員なども務める。官邸に設置されたパリ協定長期成長戦略(2019年6月閣議決定)を策定する懇談会委員を務めた。『気候変動政策のダイナミズム』『気候変動と国際協調―京都議定書と多国間協調の行方』など著書多数。
パネリスト
山下 ゆかり
(一財)日本エネルギー経済研究所 理事
計量分析ユニット担任
担任する計量分析ユニットはエネルギー政策関連の計量分析や見通し等を作成。経済産業省、内閣府等、エネルギーや科学技術分野の各種審議会委員を歴任。海外ではIEA、APEC、ERIA、IPEEC等エネルギー分野の国際協力で活躍、2018年1月までザイード未来エネルギー賞(アラブ首長国連邦)選考委員、現在はクリーンエネルギー・女性の地位向上(C3E)大使やThe Energy Journal誌編集委員。2020年に国際エネルギー経済学会(IAEE)の会長に就任予定。
パネリスト
竹ケ原 啓介
株式会社日本政策投資銀行 執行役員
産業調査本部副本部長
兼 経営企画部サステナビリティ経営室長
1989年一橋大学法学部卒業、同年日本開発銀行(現 (株)日本政策投資銀行)入行。フランクフルト首席駐在員、環境・CSR部長等を経て2017年よりサステナビリティ経営室長を兼務として現職。DBJ環境格付融資の創設など環境金融分野の企画に長らく従事。現在、同行の産業調査活動を統括。環境省「中央環境審議会」臨時委員、経済産業省「TCFDコンソーシアム企画委員会」委員、など公職多数。企業のCSRレポート第三者意見執筆やESG、SDGsに関する講演等。共著書に「再生可能エネルギーと新成長戦略」(エネルギーフォーラム2015年)、「気候変動リスクとどう向き合うか」(金融財政事情研究会 2014年)など。
コーディネーター
関口 博之
NHK解説委員
1979年一橋大学法学部卒業後、NHKに記者として入局。東京では報道局経済部記者として数多くの経験を積んだ後、解説委員に。担当は経済政策・企業戦略で、『経済羅針盤』などのキャスターを歴任。2011年6月から2年間北九州放送局長を務め、2013年6月より現職。
東京国際フォーラム ホールC
東京都千代田区丸の内3-5-1
●JR線
●地下鉄
※周辺道路の混雑緩和のために、公共交通機関をご利用ください。